かめまるです。
靴磨きを始めたばっかりの方で、「クリーナーで革が痛む」とか「クリーナーはいらない」なんていう情報でどうしていいか分からなくなっていませんか。
実は、クリーナーが革を痛めることがあるのは事実です!
また、クリーナーを使わなくても革が痛むのも事実です!
クリーナーによってはかなり強力な洗浄力を持っているものもあるため、初心者が使うと革に大ダメージを与えることもあります。ただ、正しい知識をもってクリーナーを使えば革は痛みません。むしろ、古いクリームや汚れを落とすことで新しいクリームの吸収が良くなり、より効率的に栄養補給することができます!
この記事では
- なぜクリーナーで革は痛むのか
- クリーナーを使った方がいいのか
- 革に優しいクリーナーとは
- 正しいクリーナーの使い方
について解説していきます!
クリーナーで革が痛む理由
クリーナーが革を痛めると言っても理由はいくつもあります。例えば、クリーナーの種類(成分)、使い方によっても変わってきます。結論、市販のクリーナーを使う場合はそこまで神経質にならなくても大丈夫です。(例外もある)
クリーナーの成分が革を痛める
一般的なクリーナーの成分には、有機溶剤、界面活性剤が含まれています。有機溶剤はシンナーのようなもので、界面活性剤は食器用洗剤に含まれている成分です。
✔︎有機溶剤の役割
有機溶剤は汚れを溶かす効果があります。そのため、古いクリームの油分やロウ分を溶かして拭き取ることができます。
✔︎界面活性剤の役割
界面活性剤は汚れを吸収して浮き上がらせる効果があります。表面に付着している汚れはもちろん、革に浸透している古いクリームも浮き上がらせることができます。
この、有機溶剤と界面活性剤が革を痛める原因となります。でも安心してください。革靴用のクリーナーとして販売されているものは革が痛まない程度まで薄めていますので、注意して使用すれば革が痛むことは少ないです。間違っても界面活性剤が含まれているからといって食器用洗剤はかけないでくださいね。振りじゃないですよ笑
間違ったクリーナーの使い方をしている
✔︎強く拭きすぎ
クリーナーは革が痛まないように薄めてあると言いましたが、まったく痛まないわけではありません。重要なのは使い方です。優しく拭くのと、ゴシゴシ力強く擦るのでは当然革へのダメージも変わってきます。
✔︎何回も拭きすぎ
クリーナーで拭くと古いクリームや革の色が落ちますが、その回数が多ければその分革が痛みます。米とぎに例えると分かりやすいです。洗えば洗う程だんだん白い濁りがなくなってきますが、水が透明になるまですすぐ方はいないですよね。洗いすぎることによって米の栄養素を必要以上に流してしまうからです。
革靴も考え方は同じです。クリーナーの回数、力加減によって革へのダメージがめちゃくちゃ変わります。この記事では、正しいクリーナーの使い方の解説もしていきます!
クリーナーは使った方がいい?
結論から言うと、クリーナーは絶対に使ってください。よく、クリーナーは不要とか言われていますがそれは間違えです。なぜそのような考え方があるのかというと、クリームにも実は多少有機溶剤が含まれています。その有機溶剤がクリームを塗る時に古いクリームを溶かすからと言われています。
まあこの理屈は分かりますが、その場合はクリームは布で塗らなければいけません。指で塗っても質量保存の法則から、ただ古いクリームと新しいクリームが混ざるだけです。布で塗った場合は、新しいクリームに含まれている有機溶剤が古いクリームを溶かして拭きとれるかもしれませんが、僕はぶっちゃけそんな都合よくいくとは思いません。実際は、古いクリームは全然落ちないで新しいクリームが上塗りされていると思います。
クリーナーを使った方がいい理由
✔︎靴に付着した汚れを落とせる
靴に付着している目に見える汚れを落とせることはもちろん、革の内部の汚れを落とすことができます。クリーナーを使うことで革の通気性がよくなり、靴蒸れを防ぐことができます。靴は馬毛ブラシでのブラッシングだけでは落としきれない汚れが蓄積していきます。
✔︎クリームの浸透性が向上する
クリーナーは汚れを落とす目的と古いクリームを落とす目的があります。古いクリームを落とさない状態は、毛穴を古いクリームがふさいでしまって新しいクリームが浸透するのをじゃまするようなものです。一度クリームをリセットすることで、新しいクリームの浸透性が格段に向上します。ぶっちゃけ成分のいいクリームを使っても革に浸透しなければかなりもったいないです。
✔︎防カビ効果がある(クリーナーの種類による)
クリーナーによっては防カビ効果があるものがあります。梅雨や雨が続いた時は、どうしても靴や玄関が湿っぽくなりますよね。湿気が溜まりやすい場所に靴を置いておくとカビの原因になります。靴や玄関が湿っぽくならないようにすることも大切ですが、まずは簡単にできる防カビ対策をしてみましょう!
このM.モゥブレイのステインリムーバーは防カビ効果があるクリーナーなのでかなりおすすめです。
革に優しいおすすめのクリーナー
クリーナーには大きく分けて3種類のタイプがあります。
- 液体タイプ
- クリームタイプ
- ローションタイプ
革に優しいクリーナーは液体タイプのものです。液体タイプは水性なので革へのダメージが少なく優しく汚れやクリームを落とすことができます。革に優しいからと言って汚れが落ちにくいことはありません。日常で使用する中での汚れ、クリームを落とすのには十分です。
ただ、それぞれ3つのタイプで向いている汚れ、向いていない汚れがありますので一概にこれが一番良いという訳ではありません。今回の「革に優しいクリーナー」ということであれば液体タイプのクリーナーがおすすめです。
M.モゥブレィ ステインリムーバー
✔︎ステインリムーバーの特徴
- 軟水ベースのソフトウォーターなので皮革にダメージが少なく優しく汚れや古いクリームを除去します。
- 皮革に溜まっている汗(塩分)を浮き立たせて除去してリセットします。
- クリームの浸透性が向上します。
- 革靴にとって大事な通気性が良くなりナチュラルメイクが出来ます。
- 靴用クリーナー独特のきつい臭いがありません。
- 雨に濡れた時などにできやすい銀浮き、塩浮きの予防効果があります。
- 防カビ剤を配合してます。
- 適量の油脂が含まれているので油性ワックス等の除去にも効果的です。
出典:https://www.randd.co.jp/
控えめに言ってめちゃくちゃおすすめです。デメリットとして鏡面磨きに使用するワックスを落とすのには向いていません。ただ、どのクリーナーも一長一短があるので全ての欲を満たすことはできません。僕のおすすめはメインをステインリムーバーで、ワックス落としは専用のクリーナー用意することです。
クリーナーの正しい使い方と注意点
クリーナーは使わなくても使いすぎても革にとって悪影響をもたらします。慣れていないと難しく、加減が分からないと思います。使い方によっては、クリーナーの使いすぎによって革が荒れたり、逆にクリーナーが少なく汚れが落とせていなかったりします。ここでは正しい使い方と注意点について解説していきます!
クリーナーを使う手順
✔︎STEP1.クリーナーをよく振る
液体タイプのクリーナーは容器内で分離していることがあります。ドレッシングを振るように全体をよく混ぜましょう。
✔︎STEP2.布にクリーナーをつける
指に巻きつけた布にクリーナーを付けます。布に取る一回分のクリーナーの量は100円玉サイズくらいです。布は使い古したTシャツでOK!汚れが分かりやすい白い布がおすすめです。
✔︎STEP3.シミ、色抜けが目立ちにくいかかとから拭く
革に優しいクリーナーと言っても靴のコンディションによっては色が抜けてしまったり、シミになったりする可能性はあります。そのため、シミになっても目立ちにくいかかとから拭いていくのがセオリーです。
手順はめちゃくちゃ簡単です。特に難しい技術や工程はありません。しかし、シンプルなだけに革を痛めないための注意点がいくつかあります。意外と奥が深いんです。
クリーナーの注意点
✔︎クリーナーを塗りすぎない
クリーナーを塗りすぎないって言われても、基準が分からないと思います。適正回数としてだいたい言われているのは3〜4回程度です。つまり、1つの靴に対して3回〜4回に分けて、100円玉サイズの量のクリーナーを布に付けて汚れを落としていきます。
✔︎円を描くように拭く
注意点というよりかはポイントになってしまいますが、円を描くようにして布で拭くとムラなく汚れを落とすことができます。この時、ほんのすこーしだけ力を入れて拭くのがコツです。強すぎはいけませんが、ある程度の力を入れないと汚れは落ちません。
✔︎強すぎるクリーナーは普段使いしない
強力な洗浄力を持つクリーナーは落としにくいと言われているワックスを落とす時やひどい汚れが付いた時にだけ使うようにしましょう。毎回のシューケアで使用すると、革に多大なるダメージを与えることになりますので注意です。
このレノマットリムーバーはめちゃくちゃ強力なので使用時は注意してください。ただ、ワックスも簡単に落とせるのでおすすめです。
最後に
汚れ、クリームを落としきれていないとそれが原因で乾燥、ヒビ割れ、シワに繋がります。正しいクリーナーの知識を持って、汚れ落としをすることで靴の健康寿命を長くすることができます。1ヶ月に1回はシューケアをして大切な靴を長持ちさせましょう!
この記事が少しでも参考になれば幸いです。
コメント